吉野家 – 外国籍差別?説明会キャンセルは違法?


 大手牛丼チェーン『吉野家』に関するニュースが、また世間を賑わせています。
 今度はいったい何があったのでしょうか?

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吉野家が外国人差別?外国籍を理由に説明会をキャンセル?

 今回、吉野家が”炎上”する原因となったツイートがこちら。


 投稿主が予約した就職説明会に関して、吉野家から一方的にキャンセルの通知が来たというツイートでした。
 外国籍の就労ビザ取得が難しく、内定しても入社できない場合があることが吉野家の主張する理由のようです。
 実際に就労できない可能性がある人は早い段階で弾いておきたい、という採用担当の都合も分からなくはありませんが、”国籍差別だ”としてSNS上では吉野家を批判する動きが広がっています。
 加えて、今回の件ではツイートの投稿者がハーフでありながら日本生まれ日本国籍であったことから、「”国籍差別”ではなく”人種差別”ではないか?」とさらに炎上しているのです。

吉野家 – 国籍・人種が理由の説明会キャンセルは違法?

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 応募者が外国籍であることを理由に説明会への参加を拒否することは違法なのでしょうか?
 この点、ヒントになるのが厚労省の指針に関するリーフレットです。

募集・採用時において
国籍で差別しない公平な採用選考を行いましょう。
日本国籍でないこと、外国人であることのみを理由に、求人者が採用面接などへの応募を拒否することは、公平な採用選考の観点から適切ではありません。
出典:外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針

 同リーフレットには”適切ではありません”という記述はありますが、”違法です”という表現は使っていません。
 実際、リーフレットの冒頭には「外国人労働者の雇用管理の改善は事業主の努力義務です」と記載されており、指針に則った採用活動を行うのが望ましいとされてはいるものの、指針に従わなかったことで企業にペナルティが課せられるような立て付けにはなっていません。
 
 もう一つ参考になるのが、三菱樹脂事件と呼ばれる最高裁判決です(昭和43(オ)932)。
 学生運動に参加していたこと隠したまま企業に仮採用された求職者が、その後発覚。本採用に至らなかったことに対して、雇用契約上の地位確認の訴えを提起した事件です。
 この事件で最高裁は次の通り判示しました。

企業者は、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件で雇うかを、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由に決定できるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、当然に違法とはできない。
出典:厚生労働省「採用の自由」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性 三菱樹脂事件(S48.12.12最大判)

 こうした行政の指針や司法の判断に照らせば、今回の吉野家の説明会キャンセルも直ちに違法とはいえないでしょう。
 もっとも、吉野家自体が先日の常務取締役の”炎上事件”から日が浅いことや、外国人の権利保護に敏感な昨今の社会情勢に照らすと、”違法でないから問題ない”とは言い切れないでしょう。
 吉野家側の説明等、今後の推移が気になるニュースでした。

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